スマート検温導入で年間5,754時間の業務時間短縮に
保育園における子どもの検温は、基本的に登園時、お昼寝前、お昼寝後の3回に分けて行う必要があります。
検温の方法は、電子体温計で測り、手書きで体温を連絡帳やシステムに入力する方法で対応されているところが多いでしょう。
しかし、あわただしい登園後や、午睡前後のトイレタイムとお着換えの重なる時間帯に子ども全員の体温を測ることは、かなり保育士の業務負担となっていました。
スマート検温とは
従来の電子体温計で測るものに対して、スマート検温とは、非接触のIoT体温計「スマート体温計」で子どもの熱を検温し、その測定値をクラウドにて専用アプリに自動的に記録されるというものです。
正確に測定さえできていれば、保育士の検温の手間は検温から記録までの5秒間のみです。
全てが手対応の場合は、検温から記録まで最低でも40秒は必要ですので、約1/8に削減できることになります。
導入園で約5,754時間の業務時間短縮に
2021年3月26日に配信された、株式会社ポピンズのプレスリリースによると、運営しているグループ園で手対応での検温からスマート検温に切り替えることで、1園あたり月間約52時間、年間約240日分(5754時間)もの業務削減が見込まれると発表されました。
月間52時間もの時間が短縮できるのであれば、その分一人ひとりの子どもの保育に向き合う時間を増やすことができるでしょう。
参照:2021年3月26日配信 株式会社ポピンズプレスリリース
コロナ時代のスタンダードに
手対応の場合は、低年齢児であれば検温を嫌がって泣いてしまったり、使用後は毎回アルコール消毒が必要など、実際にかかる時間以上に手間がかかるものでした。しかし、非接触のスマート検温にすることで、直接子どもに触れることなく検温が可能になるため、検温に失敗する可能性が低く、また感染予防の面からも優れています。
さらに、結果はアプリに自動保存されるため、検温の結果を書き込むために保育士が筆記用具やタブレットを共有するというリスクも減らすことができます。
感染リスクを避けるために、withコロナ時代においては、このようなスマート検温がスタンダードになっていくでしょう。
現在のシステムとの連携が問題に
政府の導入支援もあり、既に保育ICTシステムを導入している園が多い中、問題は既存のシステムと連動できるのか、それとも単独で使うのかという点でしょう。
連動できるのが一番ですが、例え単体では便利な機能でも、連絡帳は〇〇システム、午睡は〇〇システム、検温は〇〇システム、などと別れてしまっては、結果的に余計な手間を増やしたり、運用上の混乱をきたしたりすることになります。
そのため、導入には既に導入している保育ICTシステムと連動が可能なのか、という点を確認しておくと良いでしょう。