保育お役立ち情報

企業主導型保育園運営の存続のために

2020.1.24 保育お役立ち情報 , ,

企業主導型保育園は認可外保育園です。
運営企業によっては保育のノウハウがないこともあり、定員割れを起こしている場合も。
なぜ定員割れを起こしているのでしょうか。その対策のために現状の把握と原因を確認しておきましょう。

企業主導型保育園の現状

■充足率が5割未満と実態
【企業主導型保育】会計検査院が調査結果を発表【定員割れ】https://www.hoikusystem-ranking.com/ict/seful52.htmlでお伝えしたとおり、全体の4割が定員割れを起こしている企業主導型保育園。
休園する問題が各地で起きており、今後も続くと予想されています。
保育園の待機児童問題は、少子化を迎える日本にとって早期に改善すべき大きな課題です。
改善するために生まれた企業主導型保育ですが、定員割れにより閉鎖に追い込まれ、施設の中には何の告知もなく突然閉園してしまうところもあり、今後の制度維持が不安視されています。
2018年10月に東京都世田谷区にある2つの企業主導型保育所で「保育士一斉退職事件」が起きたのは記憶に新しいところでしょう。
この保育所を経営していた企業は、職員への給与の未払い、家賃の滞納があったといわれています。
そのうち1ヶ所は休園、もう1ヶ所は別の企業に引き継がれました。
内閣府によると、制度が始まってから認可が取り消しになったのは2施設、休止も3∼4施設程度と発表していますが、届け出をせずに休園している施設もあるのが実態です。

■定員割れの原因
●地方都市ではニーズがほとんどない
多くの地方都市では待機児童問題はほとんど起きていません。
しかし、企業主導型保育園の制度ができたはいけいには社会問題化している待機児童対策にあります。
企業主導型保育園のニーズは共働きする世帯が多い都市部にあるのです。
地方での企業主導型保育園の需要はほとんどなく、利用があったとしても認可保育園の空き待ちの場合がほとんどです。
●他の保育機関を利用する場合が多い
内閣府の調査によって年齢別の充足率も公開されています。
2017年度末の時点で年齢別では0∼2歳が72.2%、3歳児以上のクラスは22.3%。
企業内職員が育児休業から復職した場合は特に動きがない可能生が高いですが、地域の子どもの場合は3歳児以上のクラスは幼稚園に転園していくケースが多いと考えられます。
●事前の調査不足
企業主導型保育園の制度は参入するにはハードルが低く、その割に助成金が認可保育園並みなので保育事業の経験・ノウハウがない企業の参入が進んでいます。
助成金目当てで待機児童がほとんどいない地域に設置しようとする企業も少なくないのです。
利用児童数に対する既存の保育施設数、新規に参入する企業主導型保育園の数にミスマッチが起こっています。
事前の調査不足で入所見込みの人数を多くカウントしてしまい、申請をしている企業があることも定員割れの原因です。

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