保育お役立ち情報

2021年版保育士処遇改善について

2021.8.26 保育お役立ち情報

2021年版保育士処遇改善について

保育士の処遇改善等加算とは、平成27年度に保育士の“給与の引き上げ ”と“キャリアアップ ”を目的として
内閣府によって設定された制度です。
処遇改善等加算は、職員の「平均経験(勤続)年数」に応じて支払われるようになっていますが、
実際のところどのくらいの金額が支払われているかについてご説明いたします。

処遇改善等加算とは?
処遇改善等加算には、賃金改善のための『処遇改善等加算Ⅰ』、キャリアアップのための『処遇改善等加算Ⅱ』の2種類があります。

・賃金改善のための『処遇改善等加算Ⅰ』
『処遇改善等加算Ⅰ』の目的は2つあり、1つ目は賃金の改善を図ること、2つ目は賃金改善の状況を把握することとなっています。
処遇改善加算等Ⅰは、①基礎分②賃金改善要件分③キャリアパス要件分の3つの構成で賃金が上がる仕組みになっています。

処遇改善1

①基礎分
平均経験年数によって賃金の加算率が設定されます。給料の2%から最大12%までが加算されます。

②賃金改善要件分
賃金改善計画・実績報告を行うことを前提として、以下割合で加算されます。
平均経験年数が11年未満の場合・・・給料の一律6%
平均経験年数が11年以上の場合・・・給料の一律7%

③キャリアパス分
賃金改善要件分のうちの2%がキャリアパス分となります。
役職や職務内容に応じた勤務条件、賃金体系の設定、資質向上のための研修の実施又は研修機会の確保などが条件となります。

引用:内科府 施設型給付費等に係る処遇改善等加算Ⅰ及び処遇改善等加算Ⅱについて

・キャリアアップのための『処遇改善等加算Ⅱ』
『処遇改善等加算Ⅱ』は平成29年から始まった制度となっており、保育士のキャリアアップ体制を整えること、
キャリアに応じた賃金が支払われるようにすること、の2点を目的としています。
園で長く働き、役職に就くことによって、その責任に応じて補助金が支払われる制度です。

また、令和2年度に、各施設・事業所における人員配置や賃金体系に応じた柔軟な対応を目的として、
以下2点の加算額の配分方法の変更が行われています。

<定員90人(職員17人※)の保育所の場合のイメージ>
※園長1人、主任保育士1人、一般職員15人(保育士12人、調理員等3人)

処遇改善2

①配分方法の要件緩和
処遇改善等加算Ⅱでは、「副主任保育士等」に係る加算額について、実際に月額4万円の賃金改善を行う職員を
一定数確保することを求めているが、現行の「4万円の加算額の算定対象人数の1/2(端数切捨て)以上」を「1人以上」に緩和。

②基準年度の緩和
処遇改善等加算による賃金改善額について、現行は、算定の起点となる基準年度が固定時点となっていたのを、
給与関係文書の保管や算定事務の負担を軽減するため、処遇改善等加算Ⅰ Ⅱ共通で、基準年度を「加算当年度の前年度」に見直し。

引用:内科府 処遇改善等加算の運用について

いかがでしたでしょうか。
保育士の待遇改善のために設定された制度ですが、現場で働いている保育士からは、自治体からの補助金制度も含めて、
分かりにくい、知らないと答える方が多くなっています。
処遇改善手当は、園に国から一括で支給され、その補助金をどう分配するかは運営者が自由に決められるため、
きちんと保育士に渡っていない、という問題も起きています。
そのため、制度や支給の仕組みについて、誤解を受けないためにも、保育士に丁寧に説明しておく必要があるでしょう。

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