幼児教育無償化に見る問題
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2018年の春も、都心部の保育園活動をする保護者は激戦をかいくぐらねばなりませんでした。
保育園を増設し対策を進める自治体の努力も虚しく、2017年10月時点の待機児童数は全国に5万5433人(厚生労働省)。
前年同時期より7695人多く、3年連続で増加となりました。
待機児童対策を進める自治体にとって財源は悩みどころ。ところがさらに悩める財源に追い打ちをかける懸念があるとされているのが政府の「幼児教育無償化政策」です。
幼児教育無償化に見る問題
■幼児教育無償化政策
2019年4月から一部先行実施、2020年4月に全面実施予定の幼児教育無償化政策。
0〜2歳児の保育は、住民税非課税世帯を対象に無償化。3〜5歳の認可保育園、幼稚園、認定こども園は所得を問わず無償化となります。
認可外の保育施設は対象を検討中です。
政府は消費税増税による増収分の使い道として幼児教育の無償化を経済政策の柱にしています。
認可外の保育施設の場合は、保育の質が保たれている場合、無償化の対象とする方針を固めているという状況です。
■「無償化」に反対する声
特に待機児童対策に追われる地方自治体から、財源的な面から「無償化」に反対する声が聞こえてきます。
幼児教育の無償化よりも待機児童問題の解消が先だろうという意見です。
無償化はすでに保育施設に入れている人は恩恵を受けられ、入れていない人には恩恵が受けられない。
現在保育料金は応能負担になっているのに対して、無償化したら高所得者の方が恩恵を受けることになります。
■根本的な制度改革を
国が定期的に保育園を評価して、その結果を公表、保護者に選んでもらい、選ばれた保育園にお金が入るなど、無償化の前提としてきちんとした評価制度がある海外に比べると、日本は設置基準がクリアすれば補助がつきますが、基準を満たしていれば、保育の質は問われていません。
保育の質をチェックし、公表する制度を入れてから無償化しないと、たとえ認可園であろうと、質の悪い保育施設に税金が支払われるということになりかねません。
■一元化と効率化
現在幼稚園と保育園が一つになった認定子ども園が増えていますが、管轄が厚労省、文科省、内閣府とバラバラです。
まずは一元化して一新や補助制度を統一し、行政事務の無駄を省くことが必要でしょう。
都道府県と市町村の両方が同じ園を監査する仕組みや、保育のICT化も進んでいないなど事務が効率化されていない面も先に進める必要があるのではないでしょうか。