保育園ICT関連ニュース

ベビーシッターの自宅住所送信で賛否両論

2022.1.15 保育園ICT関連ニュース

ベビーシッターの自宅住所送信で賛否両論

ベビーシッターサービスは、保育園に預けられる時間外の保育ニーズの高まり、2019年に「幼保無償化」や「内閣府ベビーシッター割引制度」といった公的補助が受けられるようになったことで、ベビーシッター事業は急成長をしていますが、問題も多いようです。
ベビーシッターサービスを行っている「キッズライン」において、1月17日よりシッター予約が成立すると、自動的にシッターの本名と住所が予約した保護者に自動的に送信される仕様に変更すると発表し、賛否が巻き起こっています。

ベビーシッターの相次ぐ不祥事

ベビーシッターのマッチングを行っている「キッズライン」は、 2014年のサービス開始以来、300,000人以上のお子様をサポートし、所属するサポーターは47都道府県で3,000名以上、累計依頼件数は100万件以上と業界最大手の企業となっています。
しかしながら、「キッズライン」に所属するシッターによる、預かっていた子どもに対するわいせつ事件の発覚や、自治体に必要な申請を出していない者を内閣府の補助金対象のシッターとして活動させた問題を起こし、さらに直近の2021年では、シッターがシッティング中に赤ちゃんを激しく揺さぶる動画がSNSで拡散される事案が発生し、そのことを内閣府補助金事業の審査・点検委員会に報告しなかったことで、内閣府のシッター利用割引券の新規利用ができなくなる処分を受けるなど、不祥事が相次いでいます。

そのため、同社には厚生労働省の指導が入り、運営の見直しをするように求められていたようです。

ベビーシッターは認可外施設の扱い

登録しているベビーシッターは、個人で「認可外保育施設」にあたるとされており、
その認可外保育施設に対する指導監督要綱の居宅訪問型(個人)の評価基準は以下となっています。

以下の事項について、利用者に書面等による交付がされているか。

a 設置者の氏名及び住所又は名称及び所在地

b 当該サービスの提供につき利用者が支払うべき額に関する事項

c 事業所の名称及び所在地

d 事業所の管理者の氏名及び住所

つまり、一人一人が事業主として責任を持つため、万が一シッティング中に事故が起きた時は、シッター個人が責任を負うという形のため、契約時に、a~dの項目を提示する必要があるということです。

シッターからは不安の声も

ベビーシッターの個人情報を自動されることについては、反発、不安の声が登録シッターから上がっています。
元々、ベビーシッターは、予約はネットで成立したとしても、対面で実際に仕事をはじめる際に契約書を保護者と書面で交わしており、その時点で個人情報を開示していました。
しかし今回は、予約が成立しただけで自動的に個人情報がメールで送信されるようになっており、その後キャンセルなどになり、一度も対面していない人に対してシッター側の情報が送信されることになってしまいます。
安易に個人情報が送信されることで、シッターの個人情報が不当に扱われる可能性もあるため、サービスの存続のためには、子ども、シッター双方の安全を守るような仕組みづくりが必要でしょう。

いかがでしたでしょうか。
ベビーシッターでニーズが高いのは、朝晩の送り迎え、夕方のお迎えから保護者が帰宅するまでの時間とのことです。
共働き家庭が増え、保育園の預かり時間内に迎えにいくことが困難な保護者が多いということかもしれません。
園や施設側でもこのようなサービスを利用している保護者に対して、理解や連携、対応をしていく必要があるでしょう。

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