【企業主導型保育】会計検査院が調査結果を発表【定員割れ】
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会計検査院が、国の助成を受けて運営されている「企業主導型保育所」の利用状況をサンプル調査した結果を発表しました。
【企業主導型保育】会計検査院が調査結果を発表【定員割れ】
■全体の約4割が定員割れ
2019年12月23日、会計検査院が発表した「企業主導型保育所」の利用状況をサンプル調査した結果。
国の「待機児童解消加速化プラン」で保育施設の整備が進んだにもかかわらず、全体の約4割が定員に対する児童数の割合(充足率)が5割未満でした。
また、20日に会計検査院の抽出結果出分かった、「企業主導型保育所」などの引く施設で受け入れられなかった児童数が25都道府県で1500人を越えたことがわかっています。
検査院は「保育士確保施策の実施に当たり、国と自治体が十分な連携を図る必要がある」と指摘しており、また「助成の効果が十分に現れていない」として所管する内閣府に改善を求めました。
「企業主導型保育所」をめぐっては、各地で定員割れや休園などの自体が相次いでいます。
■助成開始からの流れ
「企業主導型保育所」は国の待機児童対策の切り札と位置づけられ、2016年度以降に新雪された施設には認可保育所並みの助成を実施しています。
認可外保育所の一種で、施設従業員の児童や地域の子どもを受け入れる保育施設です。
国の予算として、2016年から2018年度に計約3800億円を計上し、18年3月末までに2597施設の助成が決まりました。
2018年10月時点で開設から1年以上が経過した「企業主導型保育所」のうち、173施設を抽出して充足率を調べた検査院。
調査対象の41%の72施設が、1年以上にわたり月平均の充足率が50%を下回り、さらにそのうち充足率が20%に満たない施設も15%にあたる27施設ありました。
■経営の不安定さ
2017年4月に開設した定員30名の「企業主導型保育所」は、18年10月時点で利用する児童が4人しかいないという状況に。
運営している企業は、メインで利用するであろう従業員の需要を確かめないまま定員を決めていたという有様です。
このことから、計画通りに施設が整備されたかも検証されました。
サンプルとして選ばれた213施設のうち、17施設が予定された時期に開設されていません。
17施設のうち9施設は国が定める基準に合うか確認しないまま整備を進めており、途中設計を変える必要などが生じて開設が遅れています。
こうした経営や運営の安定性に疑問がある事業者も国に助成を受けられるということで「企業主導型保育所」を急速に整備されていきました。
内閣府は新規開設する保育事業者は5年以上の実績があることを条件とし、質の低い事業者の参入を排除するなどの見直しを提言。
今回の検査院が改善を求めた指摘については、「真摯に受け止めたい。検討委員会で示された見直しと合わせて改善を図る」としています。